彼は老婆の手料理を食い、風呂へ入って勝手に飲んで酔っぱらって寝ている。
これでは朝、目の下に隈を作って出社してたわけがわからない。
が、彼は夜のうちにやりたいことをやり尽くしてしまうまでは寝付けないのだという。子供のようだ。
欲しかった車に乗り、夜を駆け巡り、子供の頃やりたかったゲームをし、一度開けて見たかった黄金のドンペリニョン。
コンパニオンやバーテンダーを派遣してのお祭り騒ぎ。
DJジョッキーも。これでは身体が持つはずがない。
ここへきて東雲は堀田がとてつもないものにとりつかれていることに気が付いた。
もはや限界を超えて道を外している。
いや、欲という欲の化け物を飼っている。



