本人談だ。
帰宅するたびにバアさんが庭木を植えたり、草をむしったりして家をきれいにしてくれるので、不気味ながらも注意することもできなかった。
そしてX―DAY。
庭にムカデやヤモリ、蛇、そしてナメクジ、カエルがはびこるようになったという。
それも半端ではなく、バアさんは毎日毒虫を集めては庭の敷地にまくという。
なにも弱肉強食の食物連鎖を人の家の庭で体現しなくてもよさそうなものだ。
ああ、優しくしろと言ったばかりに、こんな災難を呼び寄せてしまうなんて。
東雲は後悔した。
「蹴り出せ。おまえがなにもここまで耐える必要はない」



