翌朝会社に出勤すると、入口にはマスコミの山ができていた。奴らの嗅覚は禿げ鷹以上だ。午後には緊急の謝罪会見が開かれ、社内は抗議の電話で溢れ返った。時を早送りする、その方法で激動の一日を乗り越えた俺も、その疲労、ストレスは、今までに味わったどれよりも強烈だった。
憔悴しきった面持ちで帰路に着き、テレビを付け、すぐにその電源を切った。どのチャンネルに回しても、今回の事件が取り上げられていた。
なぜ、なぜ俺がこんな目に……。全てが上手くいっていた。これからもそのはずだった。
頬を、一筋の雫がつたった。
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