用意された夕食に加え、伊勢海老のお造りと、神戸牛のステーキを追加した。豪華な食事(たったそれだけの贅沢をするために、一悶着あったことは言うまでもない)を終え、客室に備え付けられた温泉に入り、高くも安くもないワインを二本開け、おざなりのセックスを終えると、時計は深夜〇時を過ぎていた。雪菜は一人、布団の中で心地良い寝息を立てていた。そして俺は、ベランダのデッキチェアに座り、ワイングラスの中に浮かぶ歪な月を見つめていた。
「このままで、いいのか?」
俺は自問自答するように、月に語りかけた。
「このままで、いいのか?」
俺は自問自答するように、月に語りかけた。



