Time is gone

 終わった……。
 全てが終わった。窃盗、空き巣、スリ、それに加えて殺人未遂……。終わった。落ちるとこまで落ちた。今までは全てが順調だった。何度空き巣を繰り返しても、尻尾を掴まれることもなかった。まさに平成のネズミ小僧だった。
 ……それなのに、こんなもののせいで全て滅茶苦茶だ! 
 俺は走りながら、スカートのポケットから時計を取り出した。
「こいつのせいだ……全てこいつのせいだ! ミスを犯したのも、警察に狙われる羽目になったのも、ヤンに裏切られたのも、殺人犯に着き纏われたのも、殺人未遂も、全部、全部全部全部全部全部全部全部全全部全部全部全部全部全部全部全部こいつのせいだ! ……こんな時計、俺が始末してやる。斎藤真哉、あんな奴に始末させて堪るか。俺がこの……」
 右半身に、物凄い衝撃が走った。バキッ、バキバキボキッ、という鈍い音が体内から響いた。続いてグチョ、グチョグチョグチョ、という生肉をすり鉢で摩り下ろすような音が。
 俺は宙を舞っていた。体はくの字に曲がり、顔はムンクの叫びのそうなそれをしていたかもしれない。