「俺はお前が時計を持っていることを知ったとき、空き巣だと分かったとき、こんな日、警察に追われる日が来ることを予測していた。少なくとも半年は掛かるだろうと思っていたが、たったの一ヶ月でその日が訪れるとはな……。新聞でお前の顔写真を見たときは、正直驚いた。こんな三流の空き巣が、今まで捕まらなかったことにな」
俺は顔を真っ赤にし、全身を細かく震わせた。
「時計を利用することにより人は楽ができる。それは思わぬ隙を生み、その隙は油断となる。そして普段であれば考えられないような行動に出る。人が変わったかのようにな……。お前もそうだっただろ? だからこそ、警察に狙われる羽目になったんだろ」
俺は奥歯を噛み締めることしかできなかった。
「経験者の、年長者の言葉には耳を貸すべきなんだ。亀の甲より年の功、ということわざがあるだろ。その忠告に耳を……」
「説教をしたいなら牧師にでもなりやがれ!」
俺の怒声に対し、真哉は笑って返した。
「最初に会ったとき、お前は黙って時計を渡すべきだったんだ。そうしていれば警察に追われることもなかった。だがあの時へは戻れない。奇跡の時計も、時を戻すことはできない。過ぎた時は、二度と戻らない……」
真哉は黙った。その目は、帰らぬ時への郷愁に満ちていた。
俺は顔を真っ赤にし、全身を細かく震わせた。
「時計を利用することにより人は楽ができる。それは思わぬ隙を生み、その隙は油断となる。そして普段であれば考えられないような行動に出る。人が変わったかのようにな……。お前もそうだっただろ? だからこそ、警察に狙われる羽目になったんだろ」
俺は奥歯を噛み締めることしかできなかった。
「経験者の、年長者の言葉には耳を貸すべきなんだ。亀の甲より年の功、ということわざがあるだろ。その忠告に耳を……」
「説教をしたいなら牧師にでもなりやがれ!」
俺の怒声に対し、真哉は笑って返した。
「最初に会ったとき、お前は黙って時計を渡すべきだったんだ。そうしていれば警察に追われることもなかった。だがあの時へは戻れない。奇跡の時計も、時を戻すことはできない。過ぎた時は、二度と戻らない……」
真哉は黙った。その目は、帰らぬ時への郷愁に満ちていた。



