「今は、お前が持ち主だ。だがもうすぐそうではなくなる。その時計の恐ろしさは分かっただろ? 無事海外に逃げたければ、その時計は渡せ」
そこまで読まれていたか……、感心している場合ではないが、改めて斎藤真哉の読みの鋭さに舌を巻いた。
「時計を渡せば、俺はお前に二度と近付かない。お前の居場所を警察に漏らしたりもしない。お前が捕まろうが逃げきろうが、俺にはどうでもいいことだ」
「脅しのつもりか?」
「交渉だ」
交渉という言葉を聞いて、俺は思わず笑ってしまった。
「交渉? 交渉って言うのはな、対等な条件下で成立するものだ。お前みたいな浮浪者の、殺人犯の言葉を誰が信用する? 脅しにもなってないぞ」
真哉の目に怒りが宿った。
「信用するかどうかは、お前が決めることではない。どんなに僅かなリスクでも、背負いたくはないだろ」
そこまで読まれていたか……、感心している場合ではないが、改めて斎藤真哉の読みの鋭さに舌を巻いた。
「時計を渡せば、俺はお前に二度と近付かない。お前の居場所を警察に漏らしたりもしない。お前が捕まろうが逃げきろうが、俺にはどうでもいいことだ」
「脅しのつもりか?」
「交渉だ」
交渉という言葉を聞いて、俺は思わず笑ってしまった。
「交渉? 交渉って言うのはな、対等な条件下で成立するものだ。お前みたいな浮浪者の、殺人犯の言葉を誰が信用する? 脅しにもなってないぞ」
真哉の目に怒りが宿った。
「信用するかどうかは、お前が決めることではない。どんなに僅かなリスクでも、背負いたくはないだろ」



