宿舎付きのオカマバー、それはその全てをクリアしていた。面接の際もやる気を聞かれるくらいで、なぜこの店を選んだのか、なぜ男を捨てたのか、女への目覚めはいつか、その切っ掛けは何か、両親は知っているのか、男との経験はあるか……などとは聞いて来ない。男を捨てた女たちにはそれぞれのドラマがあり、苦悩と苦労があり、それらはどれも似通っている。彼女らにとってそんなことは、確認しなくても共有できる。
採用はすぐに決まった。もちろん、公的な書類の提出など求められなかった。一度、男であった頃の免許書を求められたが、それも偽造されたものを見せた。ママはそれを見ても何の疑いも抱かず、今晩からよろしくね、そう言って免許証を返してきた。
採用はすぐに決まった。もちろん、公的な書類の提出など求められなかった。一度、男であった頃の免許書を求められたが、それも偽造されたものを見せた。ママはそれを見ても何の疑いも抱かず、今晩からよろしくね、そう言って免許証を返してきた。



