Time is gone



 都会の喧騒を離れ、大自然に囲まれ自由気ままに過ごす日々。それはまさに夢のような、楽園のような日々だった。
 いくら避暑地とは言え、夏なのだから暑い。だがその暑さも、都会のジメジメモワンモワンした暑さではない。カラッとした、いさぎよい暑さだった。
 もう少しこのまま、あと数日、いや一層のこと、八月中はこのまま東京から離れていようか……、そんなことを悩んでいた俺は、その意思とは関係なく、東京から離れることを余儀なくさせられた。正確には一度東京に戻り、再び辺境の地へと赴くことを。