そっと台所の扉を開くと、そのウーッという重低音はさらに大きくなった。その音源である冷蔵庫の前に立つと、躊躇いつつも扉を開いた。ひんやりとした冷気が顔面を包む。そして視線の先には、六本の缶ビールが整列していた。きっと疲れ果てて帰ってきた主人を、おかえりなさい、と迎え入れてくれるのだろう。
「……一本くらい、ばれないよな」
俺は左端の一本を取り出し、プルタブを引いた。プシューッという音を聞いただけで、口の中に唾が溢れた。そして堪え切れず、その場で一気に半分ほど飲み干してしまった。ビールは、豪快に飲むからこそ美味い。
残りをもう一息で飲み干すと、缶を握り潰し、近くにあったゴミ箱にそれを捨てた。
「明日ヤンにブツを渡したら、世間同様、夏休みとしよう。この夏はよく働いた。……それにしても、整理整頓が行き届いた家だ」
懐中電灯の明かりを、端から端まで滑らせて行く。流しのシンクは水垢一つなく銀色に輝き、隣にある全自動食器洗機も同じく銀色の輝きを放っていた。その横に置かれた木製の食器棚も、ニスを塗られたばかりのような光沢を放ち、その中に置かれた大小の食器やグラスたちもみな、懐中電灯の微かな光を浴びて輝いていた。まるで、ダイヤモンドダストのようだった。
「……一本くらい、ばれないよな」
俺は左端の一本を取り出し、プルタブを引いた。プシューッという音を聞いただけで、口の中に唾が溢れた。そして堪え切れず、その場で一気に半分ほど飲み干してしまった。ビールは、豪快に飲むからこそ美味い。
残りをもう一息で飲み干すと、缶を握り潰し、近くにあったゴミ箱にそれを捨てた。
「明日ヤンにブツを渡したら、世間同様、夏休みとしよう。この夏はよく働いた。……それにしても、整理整頓が行き届いた家だ」
懐中電灯の明かりを、端から端まで滑らせて行く。流しのシンクは水垢一つなく銀色に輝き、隣にある全自動食器洗機も同じく銀色の輝きを放っていた。その横に置かれた木製の食器棚も、ニスを塗られたばかりのような光沢を放ち、その中に置かれた大小の食器やグラスたちもみな、懐中電灯の微かな光を浴びて輝いていた。まるで、ダイヤモンドダストのようだった。



