Time is gone

「何も知らないガキがのうのうと……。お前に渡す気がないなら、力尽くでも奪うだけだ。お前を殺してでも、その時計は俺が始末する」
「なら俺は、逃げるだけだ」
「逃げられると思うな、いくら逃げようと、地獄の果てまで追ってやる」
「逃げ切れるか捕まるかは、すぐに分かることだ」
 俺はそう言い、ポケットから時計を取り出した。
「よせ! その時計は使えば使うほどに、お前の心は乗っ取られて……」
 俺は男の言葉を無視して、全力で走り出した。そして走りながら、時計のリューズを回した。