Time is gone

「持ち……歩かされている?」
 その直感は、信じるに値した。そうとしか考えられないからだ。俺は意識を失う寸前の行動を思い出した。そして時計の処分方法を考えながら、そのリューズを回していたことを思い出した。
 ……まさか。
 俺の脳裏に、再び最初の直感がよぎった。そしてその真偽を確かめるために、右ポケットから携帯を取り出し、時間を確かめ、時計のリューズを摘まんだ。半信半疑ではあった。と言うことは、俺はすでにそのとき、それを半分信じていた。