「本当に? ……よかった。僕ね、みんなが仲良く暮らせるよう、大学を受けることにしたんだよ。僕が大学に受かれば、もう僕のことでみんなが喧嘩したりしないと思ったから。受験は失敗しちゃったけど、頑張った甲斐があったね」
光彦がなぜ大学受験を受けることにしたのか、その真意を知ったわしは、涙を堪えることができなかった。その優しさに。
「じいちゃん、泣かないでよ」
「すまん、すまん光彦。お前の気持ちも知らんで、つまらん親子喧嘩ばかりしておって」
「いいんだよもう。みんなが仲直りしてくれたんなら、それでいいんだ。……ちょっと、疲れちゃったな。十年振りに、喋り過ぎちゃった。少し、休むね」
「あぁっ、休め。目覚めたら、五人で一緒に暮らすんじゃ」
光彦は最後に笑顔を浮かべ、そしてそっと、瞳を閉じた。
光彦がなぜ大学受験を受けることにしたのか、その真意を知ったわしは、涙を堪えることができなかった。その優しさに。
「じいちゃん、泣かないでよ」
「すまん、すまん光彦。お前の気持ちも知らんで、つまらん親子喧嘩ばかりしておって」
「いいんだよもう。みんなが仲直りしてくれたんなら、それでいいんだ。……ちょっと、疲れちゃったな。十年振りに、喋り過ぎちゃった。少し、休むね」
「あぁっ、休め。目覚めたら、五人で一緒に暮らすんじゃ」
光彦は最後に笑顔を浮かべ、そしてそっと、瞳を閉じた。



