Time is gone

 幼い光彦の手を握りかよった川辺。そのいたるところに、孫の面影があった。そしてその全てが思い出でしかないこと、二度と再現されることがないことに、わしは胸を痛めた。
 光彦はもう、目覚めないかもしれない。そんな奇跡が、起こるはずもない。ならばわしはもう……。
 遠くから蝉の鳴き声が聞こえる。それは自らの死を嘆き、最後の悪あがきをするように弱弱しく響いた。わしの命の鼓動もまた、最後の悪あがきをしているだけだった。