Time is gone



 何時間経過しただろうか。陽はすでに沈み、空は夕焼けに染まっていた。それにも関わらず、わしは明かり一つ点けず、段ボールの中を探り続けていた。
 ……ない。ないないないないないないないないないないないないない! どこをどう探しても、ない。
「……まさか、あの晩……」
 わしの中で、何かが急激に膨れ上がっていった。それは怒りだ。このとき始めて、犯人に対して強い憎しみを覚えた。不甲斐無い警察に対し、殺意すら覚えた。そのあまりに強烈な出来事に、心臓の鼓動は高鳴るでもなく、弱まっていった。時計の能力がなければ、わしに残された時間は極僅かである、それを象徴するかのように、徐々に弱まっていった。
「頼む、もう少しだけ持ってくれ。光彦が目覚めるそのときまで、もう少しだけ……」
 時計を失ったわしは、もはや祈ることしかできなかった。我が心臓に、神に、仏に、地獄の閻魔に、死神に……、そして、光彦に。