翌朝、景子が朝食を持ってやってきた。その日は土曜ということもあり、辰雄の姿もあった。昨日同様、三人はそれぞれの役割を決め、さっそく作業に取り掛かった。
わしは自らの持ち場、骨董品の群れを前にし、昨夜感じた違和感同様のそれを感じた。
何かが、おかしい。
その違和感の原因も分からないままに、作業を始めた。そして間もなくして、その違和感の原因は判明した。
なくなっていた。絵画や壺などの大きなものはあるが、古銭や茶碗などといった小物が、見当たらなかった。
わしは直感的に、昨夜耳を襲ったノイズが、虫の知らせであったことに気付いた。あのときこの家には、招かれざる客がいたのだ。
やられた。巷を賑わす空き巣に、やられたのだ。
すぐに辰雄と景子を呼び、二人は素早く警察に通報した。



