Time is gone

 諦めかけたそのとき、耳に飛び込んできたのは豪快な笑い声だった。
「まさか父さんの口から言われるとは思ってもみなかったよ」
 はぁっ。
「私たちも今日、お義父さんにその話をしようと思っていたんですよ」
 はぁっ。
「まさか先を越されるとは、夢にも思わなかったよ。また断られるだろうことは、予測していたんだけどな」
 ……では、わしを受け入れてくれるのか。
 心の中で問いかけた。
「もちろんだよ。これからは三人で、この家で、光彦が帰って来るのを待とう。僕たちに残された家族は、四人だけなんだ。母さんがいないのは残念だけど、今日を持って、冷戦は終結だ」
 わしは言葉にならない感謝の思いで、胸が震えた。そして陽子の言葉の、真意を理解した。
「その時計、きっとおじい様の役に立ちます」
 その言葉の意味が。