Time is gone

「そんなことが……。分かりました、全てお話します。おじい様にとってはショッキングなこともありますが、正直にお話しします」
 陽子もまた、重い口を開いた。自らの生い立ち、風俗嬢であったこと、その店に光彦が客としてやってきたこと、サービスの見返りとして時計を譲り受けたこと、その時計を借金返済のために売ろうとしたこと、だが自分以外の人間にはその能力は発揮されなかったこと、自分を救ってくれたように他の人も救ってくれることを願い、骨董品店で引き取ってもらったことを。
 話を聞き終えたわしは、孫が風俗などという場所に行ったことにショックを受けると共に、大人の男として性に目覚めていたことに、喜びを覚えてもいた。
 わしもまた、死を求め時計を利用していたこと、一向に死なないこと、老いもしないこと、それがアインシュタインの特殊相対性理論に基づく、「ウラシマ効果」による現象であること、光彦は己の罪を許すどころか、恨んでいることを話した。