それは単なる偶然か、運命の悪戯か、はたまた時計の仕業なのか、その真偽のほどは定かではない。それでもわしの疑問は、ひょんなことを切っ掛けに解明された。
テレビからはNHKの教育番組が放送されており、どこかの大学のお偉い教授が教鞭を取っていた。
アインシュタインによる特殊相対性理論。それに基づく、「ウラシマ効果」に関して。
その内容を簡単にまとめると、次のようになる。光速で動く物体は、ほとんど時間の経過がない、と言うことだ。それには重力などが関係するようだが、もちろんわしの頭で理解できるはずもなかった。
そんな呆け老人にも分かるように、教授はある例えを上げた。
光速の早さで進む宇宙船に乗り、一年間地球の外周を回り続けてから帰還すると、一年しか経ってないはずが、地球上では十年という月日が流れている、ということだった。



