時は飛ぶように流れていった。時を進めた先は、大抵が二・三ヶ月先だった。その度にわしは、まだ生きていること、期待よりも進んでいない時に、苛立った。
時を進めた先は、様々な場所だった。台所で野菜を切っているときも、風呂に入っているときも、トイレで用を足しているときも、買い物に出掛けているときも、眠っているときもあった。だがその大半は、居間でボーっとテレビを眺めているときが多かった。
包丁を握っているときや、街を歩いているときには危険な思いもした。包丁で危うく指を切り落としそうになったり、歩行中に足がもつれ転びそうになったりもした。だがわしは、時を進める先に気を使うことはなかった。道路で転び車に轢かれても、死ねるのであれば好都合だった。だからと言って、あえて外出を増やすこともなかった。そんな気力はなかった。
そうしてアッと言う間に五年の月が流れていった。八十七歳、その心臓は、今も力強い鼓動を繰り返していた。



