「何だ、君か……」
翌日、昼過ぎに目覚めた私は、戸惑いながらも電話を手にした。
「……店長、無断欠席、申しわけありませんでした。今日からまた、出勤させてもらえませんか」
店長はわざとらしく溜息を吐いた。
「いまさら何言っているの? もうキャストは埋ま……」
「迷惑をおかけしたことは謝ります! もう二度とこんなことはしません! ですから……今日からまた、お願いします」
風俗の店長などに懇願している自分が惨めだった、情けなかった。だが私には、そうする以外に道は残されていなかった。生きていくために、プライド何ていくらでも捨ててきた。
「エリカちゃん、君はうちの稼ぎ頭なんだ。その自覚を持って、これからは頼むよ」
ありがとうございます、そう口にした瞬間、落ちるところまで落ちた、私はそれを悟った。



