翌日、さっそく男からメールが来た。そこには、
『また会いたい』
としか書かれていなかった。またセックスしたい、としか……。またもや時計は、その能力を発揮しなかった。
男はホモではない。だが金持ちだ。金持ちに対してはその能力は発揮されないのだろうか。 私は絶望の淵から、その断崖を見下ろしていた。
「なぜ? なぜなのよ! 私がリューズを回せば、好きな時間まで自由に時を進められるのに……。私にしかその能力は発揮されないの? いえ、そんなことはないわ。この時計を私に譲ってくれた少年、彼はこの能力を知っていたはずよ。だからこそ私の役に立つと言ったのよ。でもなぜ、この時計を自ら手放したのかしら? 何か理由があるのかしら? ……あんなガキのことはどうでもいいのよ! 今はこの時計をお金に換えることだけを考えるのよ! 自ら手放すような理由があったとしても、私はすぐにでも手放すんだから、気にする必要はないわ!」
また昔の客で試すか、私は次なる一手に思考を巡らせた。だがそこにはセックスが付きまとう。そして金持ちには力が発揮されないのか、私にしか発揮されないのか、それを試す必要があった。そうでないとセックスのし損だ。誰かいないだろか、実験に適したモルモットが。



