Time is gone

 自然と、卑猥さの欠片も見せずにベッドに誘い込むため、男の腕が私の肩に回された瞬間、私は男を突き飛ばしたい衝動に駆られた。
 何を嫌がっているのよ! こんなの慣れっこじゃない! この男とは何度もやっているのよ! それをいまさら……それにここで拒んだら、計画が台無しよ。
 私は自分自身に何度もそう言い聞かせた。
「待って、そう慌てないで」
 私はできるだけ平静を装い、男の腕を振り払った。
「どうした? まさか、あの日だったか?」
「そうじゃないわよ。待って、今準備するから」
 私は立ち上がり、バックから時計を取り出した。そして三十分、時を進めた。