Time is gone



 翌朝ホテルをチェックアウトした私は、その足で自らのマンションに向かった。
「アレッ、帰って来たんだ?」
 私は一瞬、混乱した。
 ここは私の家よね? ……そうよ、この体を張って稼いだお金で家賃を払っているのよ! 
 トシの口調は、まるで私が居候であるかのようなそれだった。
 私は男に苛立つでもなく、少し心を痛めた。五日間音沙汰もなく、どこに行っていたかも分からない恋人を、せめるでもなく、心配するでもない態度に。
 だが私は、そんな男の態度すら咎めることはなかった。その気力がなかった。二日酔いで頭が痛み、一刻も早く眠りたかった。
 男を無視し寝室へと向かい、着の身着のまま、ベッドに倒れ込んだ。
 頭が痛い、胃が気持ち悪い。そして……胸が少し痛む。なぜだろうか。私は心配してもらいたかったのだろうか。バカみたい。あんな男にいまさら、そんな感情を抱くわけがない。
 私は無駄な思考を中断するように、眠りの世界へと迷い込んでいった。