Time is gone



 待てども暮らせども、鳴澤からの連絡はなかった。すでに壁の時計は九時を過ぎていた。
「おかしい。すぐに連絡が来ると思っていたのに……。興奮状態のまま例のイベントに参加してしまったのかしら? それとも、わざと焦らしているの? いや、あの男はそんな性格じゃないわ。あいつは絶対にMよ。しかも、真性の。この私が言うのだから間違いないわ。焦らすような真似はしないはずよ……」
 業を煮やした私は、鳴澤の携帯を鳴らした。だが男は出なかった。
「イベントに夢中なのよ。きっとホモの乱交パーティーよ。そうよ、プレイに夢中なのよ。そう、きっとそう……」
 私は冷蔵庫から缶ビールを取り出し、勢いよく流し込んだ。
「落ち着くのよ。大丈夫。だって何度も試したじゃない? 一度でも、時が進まなかったことはないわ」
 そのとき、携帯から賑やかな歌声が響いた。