「これで、いいかな?」
私は男から時計を受け取り、頷いた。
「何も起こらないが?」
「先ほど説明させていただきましたように、時を進めている間も普段どおり生活されております。時を飛び越えるわけではありません。今は何も起こらなくて当然です」
「なるほど、明日の夜八時五十分になるまで分からないと言うことか? 筋は通っているわけだ。で、本当にその時計に時を進められる能力があったとして、いくらで僕に譲りたいと?」
私は男の目を真っ直ぐに見つめた。
「五億」
男は一瞬目を見開き、余裕の笑みに切り替えた。
「五億……ね。君は中々金のかかりそうな女だ。いいだろう。もし君の言うとおりの能力があれば、十億だそう。好きなシャネルをいくら買おうとも、一生遊んで暮らせるはずだ」
十億! 思いがけない金額に、私は震えた。
「……かしこまりました。明日、お電話をいただけることを楽しみにしております」
「もし、何も起こらなければ?」
男の目は挑むようなそれだった。ビジネスはすでに始まっていた。
私は男から時計を受け取り、頷いた。
「何も起こらないが?」
「先ほど説明させていただきましたように、時を進めている間も普段どおり生活されております。時を飛び越えるわけではありません。今は何も起こらなくて当然です」
「なるほど、明日の夜八時五十分になるまで分からないと言うことか? 筋は通っているわけだ。で、本当にその時計に時を進められる能力があったとして、いくらで僕に譲りたいと?」
私は男の目を真っ直ぐに見つめた。
「五億」
男は一瞬目を見開き、余裕の笑みに切り替えた。
「五億……ね。君は中々金のかかりそうな女だ。いいだろう。もし君の言うとおりの能力があれば、十億だそう。好きなシャネルをいくら買おうとも、一生遊んで暮らせるはずだ」
十億! 思いがけない金額に、私は震えた。
「……かしこまりました。明日、お電話をいただけることを楽しみにしております」
「もし、何も起こらなければ?」
男の目は挑むようなそれだった。ビジネスはすでに始まっていた。



