Time is gone

「……どういうことだよ。今日、といっても日をまたいでいるから、今は土曜だ。それなのになぜ、今日これから始まる試合の結果がアップされているんだよ。テレビで放送されているんだよ。飲み過ぎたのか? 酔って錯乱状態なのか? それともこれは……夢か」
 俺はその真偽を確かめるべく、携帯を手にした。こんなときに頼れるのは、一人しかいない。
「……もしもし、しんくん? 何、こんな時間に」
 心配するというより、迷惑そうな声だった。
「雪菜、明日は十一時だよな? 十一時にお台場だよな?」
 電話の向こうからは、クスクスッ、という笑い声が聞こえてきた。いつもと変わらぬ雪菜の笑い声。
「何言っているの、お台場は今日行ってきたじゃない。それとも、明日も連れて行ってくれるの?」
 雪菜まで俺をからかっているのか。メディアまで使って、何の真似だ。
「からかうなよ。お台場は明日行く予定だろ? 五月二十一日、土曜日に」
「だから二十一日の土曜日に、お台場に行ったじゃない? ディナーのとき、美味しい美味しいってワインをがぶがぶ飲んでいたから、酔っ払っちゃった? ……それとも、若年性のアルツハイマー? 最近多いらしいけど……」