私は必死になって自分を磨いた。エステに通い、ブランド物を身に付け、昔の栄光を取り戻そうとした。私はいつも一番だった。一番可愛くて一番綺麗で一番もてて一番目立っていた。
私にとって一番でいることは義務であり、アイデンティティーだった。
だがその努力を面白く思はない人物がいた。日に日に派手になっていく私を、彼は避けるようになった。ピアスの穴が増える度に、肌の艶が増す度に、香水の匂いがきつくなる度に、シャネルを好きになる度に、彼の練習量は増えていった。
彼も夢に向かって必死なのだから仕方がない、会えなくとも心は繋がっている、そんなふうに思っていた私は、世間も男も知らない、ただの幸せ者でしかなかった。
そして気付けば、私に残されたものは借金と、カードの明細だけだった。
私にとって一番でいることは義務であり、アイデンティティーだった。
だがその努力を面白く思はない人物がいた。日に日に派手になっていく私を、彼は避けるようになった。ピアスの穴が増える度に、肌の艶が増す度に、香水の匂いがきつくなる度に、シャネルを好きになる度に、彼の練習量は増えていった。
彼も夢に向かって必死なのだから仕方がない、会えなくとも心は繋がっている、そんなふうに思っていた私は、世間も男も知らない、ただの幸せ者でしかなかった。
そして気付けば、私に残されたものは借金と、カードの明細だけだった。



