一回とは言わず、セフレになってあげればよかった。 一五分後の世界で、私はそんなことを思った。この時計は時を自由に進めることができる。時計の針を進めた先まで、自由に進めることができる。すでに私は、時計の能力を受入れていた。 「時を自由に進めることができるなら、その逆も……」 私はそう呟き、目を閉じた。そしてゆっくりとリューズを逆回転させ始めた。 あの子は私の役に立つと言っていた。それが本当なら、きっと私はあの頃、一番輝いていた時代の私に戻れる。