Time is gone

 その滑るような動きに見惚れていると、突然、頭がくらくらし、目眩を感じた。
 ……何だ、これは。
 そう思った次の瞬間、脳裏に様々な光景が映し出された。それはまるで、ビデオの早送りを見ているかのようだった。
 雪菜の笑顔、晴れ渡る青空、駅、モノレール、
 ここは、どこだ。
 フジテレビ、パレットタウン、人気レストランのランチ、
 お台場? 
 アクアシティ、花柄のワンピース、自由の女神、水上バス、レインボーブリッジ、ビルの谷間に消え行く夕陽、海を眺めるレストラン、赤ワイン……。
 俺は荒い息を整えながら、辺りをゆっくりと見回した。だが、何一つ変化はない。
 ……何だったんだ、今のは。
 デジャビュではない。だからといって、何であるかは説明できない。こんな体験は、産まれて初めてだ。
 胸の動悸を抑えるように、左胸に手を置いた。徐々にその鼓動は治まり、テレビからの雑音が頭の中に入って来た。