目覚めた私は、いつの間に眠ってしまったのか、それを考えた。そしてその謎が解ける間もなく、私は大声を上げた。
「キャーッ、あっ、あんた、いつの間に起きてきたのよ!」
部屋中に響き渡る悲鳴に、一瞬男は宙に浮いた。
「何だよ急に大声出して! 俺はずっとここにいただろ」
えっ? ずっとここにいた?
私は動揺を悟られぬよう、平静を装った。
「あらそう? 私の寝顔があまりにも可愛いから、見惚れていたのね。可愛いとこあるじゃない」
訝しげな表情を浮かべた男は、急に大声を上げて笑い出した。
「お前、喋りながら寝てたんか? 寝言にしては流暢に喋っていたな? 身振り手振りも完璧だったよ。あー腹いてー」
男はそう言って、腹を抱えながら涙を流していた。



