ソファーに戻った私は、化粧ポーチやら何やらをテーブルの上に取り出し、中から目的のものを取り出した。そしてまじまじと眺めた。
「こんな壊れた懐中時計が私の役に立つ? 純金という響きにそそのかされてやらせてあげちゃったけど、無駄だったかしら? ……まぁ、セックスなんて減るものじゃないけど」
私はいつからそんなふうに考えるようになってしまったのだろうか。愛がなければセックスはできない、そんなふうに考えていた私を、どこに置き忘れてしまったのだろうか。そんな正常な思考回路をしていた私を、愛おしくさえ思う。
道を踏み外すことは簡単なのに、なぜ真っ当に生きることは難しいのだろうか。そして真っ当な道に戻ることは、それ以上に……。
「こんな壊れた懐中時計が私の役に立つ? 純金という響きにそそのかされてやらせてあげちゃったけど、無駄だったかしら? ……まぁ、セックスなんて減るものじゃないけど」
私はいつからそんなふうに考えるようになってしまったのだろうか。愛がなければセックスはできない、そんなふうに考えていた私を、どこに置き忘れてしまったのだろうか。そんな正常な思考回路をしていた私を、愛おしくさえ思う。
道を踏み外すことは簡単なのに、なぜ真っ当に生きることは難しいのだろうか。そして真っ当な道に戻ることは、それ以上に……。



