やりたくもない勉強をして、行きたくもない会社に行き、結婚し子供が生まれ、その子供が大人になり、結婚し孫が生まれ、定年を迎え釣糸を垂らす。その中で様々なことが起こるだろう。仕事で失敗したり、リストラされたり、夫婦喧嘩をしたり、子供がぐれたり……。それでもその全てを振り返りながら、幸せだった、そう思いながら釣糸を垂らすのだろう。来週に控えた老人会の旅行を楽しみにしながら、春休みに遊びに来る孫の顔を思い浮かべながら。そういう小さな幸せの積み重ねを楽しみにして、みんな生きているのだろう。それらが生きて行く力に繋がり、希望へと繋がって行くのだろう。
でもそんなものは、僕にとっての希望にはならない。
僕にとっての希望とは、何だったのだろうか。 何が生きる力となり、必死に勉強していたのだろうか。



