鏡に映る自らの姿を見て、僕は固まった。落ち窪んだ目、痩せこけた頬、青白い肌。末期癌患者のようなそれだった。 気味が、悪い……。 僕は鏡から目を逸らした。その視線の先には体重計があり、再び目を逸らした。 「気にすることはない。夏バテだ。塾は冷房が効きすぎている。体温調整がうまくできてないだけだ。周りもみんな同じような面をしている。大丈夫、僕だけじゃない……」 僕は自らに言い聞かせるように、一人呟いた。