「これ以上睡眠時間を削ったら、どうなるか分かっているの? あんたの体が先に壊れるだけよ。だからこそ、おじいちゃんたちも協力を願い出てくれたのよ。少しは私たちの気持ちも……」
「俺の体なら大丈夫。だから余計な心配はしないでくれ。分かったら、もう出てってくれないか。時間がないんだ」
「心配するわよ! あんた、この数ヶ月でどれだけやつれたか分かっているの? その目の下の隈は何? そんな姿を見ていたら、誰だって心配するに決まっているでしょ!」
やつれた? 目の下の隈? 何のことだ。
「どうしても国立にこだわるならそれでもいいわ。でも、受験は一度だけじゃないのよ。その次もある。一浪するくらい普通なんだから、これ以上無理するのだけは止めて」
母親の目に浮かぶそれは、悲しみだけでなく、後悔の念も含んでいた。我が子を窮地に追い詰めてしまった、己を呪うそれ。
「俺は大丈夫。だから、余計な心配は止めてくれ」
立ち上がり部屋を後にしようとするその背に、僕はそう呟いた。
「俺の体なら大丈夫。だから余計な心配はしないでくれ。分かったら、もう出てってくれないか。時間がないんだ」
「心配するわよ! あんた、この数ヶ月でどれだけやつれたか分かっているの? その目の下の隈は何? そんな姿を見ていたら、誰だって心配するに決まっているでしょ!」
やつれた? 目の下の隈? 何のことだ。
「どうしても国立にこだわるならそれでもいいわ。でも、受験は一度だけじゃないのよ。その次もある。一浪するくらい普通なんだから、これ以上無理するのだけは止めて」
母親の目に浮かぶそれは、悲しみだけでなく、後悔の念も含んでいた。我が子を窮地に追い詰めてしまった、己を呪うそれ。
「俺は大丈夫。だから、余計な心配は止めてくれ」
立ち上がり部屋を後にしようとするその背に、僕はそう呟いた。



