Time is gone

「我が子に対して落ちこぼれとは何事じゃ!」
 祖父はもの凄い剣幕で怒鳴り、立ち上がった。
「話にならん。ばあさん、帰るぞ。辰雄、お前もお前だ。我が子を落ちこぼれ呼ばわりされて、何だその腑抜けた面は! 光彦、お前も来なさい。お前一人くらい、わしらが養ってやる」
 祖父の目は真剣だった。祖母もそんな祖父を止めようとはしなかった。
「父さん、待ってくれよ。これは家の問題だ。父さんたちがとやかく言うのは止め……」
「お前たちが腑抜けだから、わしらが光彦の面倒を見るんじゃ! 文句があるなら、もっと光彦の気持ちを考えろ!」
 僕の手を取った祖父は、玄関に向かい歩きだした。母親はその前に立ちはだかった。
「連れて行かせません! 光彦は私たちの子です! 金輪際、光彦をあなたたちには会わせません!」
 ただでさえ仲の悪かった両親と祖父母の関係が、さらに悪化してしまった。それもこれも、全部僕のせいで……。