Time is gone

 人々はこうして余計なことに首を突っ込み、面倒なことに巻き込まれていく。だからこそ、触らぬ神に祟りなし、先人からの教訓だ。
 思考回路が別の方向に向きだし、僕は慌ててその舵をきった。今は国語の勉強をしている場合ではない。
 時は何の解決策も、答えももたらさないままに流れた。優柔不断、それは日本人のアイデンティティーの一つだ。
 焦ることはない。これは試験ではないのだ。制限時間も答えもない。ゆっくり、どうするかを考えればいい。ただし、それまでは時計の能力は使わない。それだけを誓った。
「まぁ、僕が時計何かに洗脳されるはずもないけどね」
 軽い調子で呟き立ち上がった。危険を察した上で時計を手放すことができなかった。その時点で時計の魔力に魅了されつつあると、弱冠十七歳の僕に気付けるはずもなかった。