何の名案も浮かばないままに、一日が過ぎた。あくる日、昼近くに目覚めた僕が居間に下りると、誰もいないにも関わらず、テレビだけが騒いでいた。
「先日捕まった江戸川区OL殺人事件の犯人ですが、精神異常者ではないかと疑われておりますが、その場合、責任追及は難しくなるのでしょうか?」
アナウンサーの問いに、専門家を名乗る人物は、眉間に皺を寄せ考え込んだ。
「そうですね、まだ取り調べが始まって間もないので、今は何とも。……ですが犯人は、○○社のトップ営業マンだったと言うではないですか。その線からすると、精神的に問題があったとは……」
「犯人は会社の不祥事により、トップ営業マンとしての地位を失ったわけですね。それにより精神的に不安定となり、交際していた女性とも何らかの理由で口論となり、衝動的に殺してしまった、ということではないでしょうか?」
専門家は再度考え込んだ。
「その線も考えられますが、犯人の証言からは今は何とも……」
煮え切らない態度の専門家に、アナウンサーも見ている側もイライラした。



