Time is gone

 すると軽い目眩を感じ、次の瞬間、何も起こらなかったことに落胆し、再び空白の四日間に頭を悩ませる自らの姿が脳裏に浮かび、我に返った。
 僕は素早く目覚まし時計に目をやった。それは、八時十分を指していた。
「この時計は、時を自由に進められる……」
 僕が時計の能力に確信を得ると共に、携帯が再び着信を知らせた。
『シカトか? 今日来ないとさすがにやばいぞ。試験監督の桜井も、親にちくるって言っているからな』
「うるさい! そんな脅迫に乗るか! こっちは今、それどこらじゃないんだ!」
 僕は苛立たしげに電源を切った。
「じいちゃんは、この時計が僕を選んだと言った。この能力を利用するため? だとしたらどうやって、この力を使えばいい……」
 僕は掌の懐中時計に語りかけた。