トンネルを抜けると、そこは雪国だった―――


という有名な小説の文章があった気がする。

確か、「雪国」だったか……




否、そんなことはどうだっていいのだ。



我は目が覚めると、真っ先に飛び込んできた景色…

それは、白い天井だった(ちょっと茶色い染みが顔に見えて怖い)。




――もしや、病院なのだろうか、ここは。

色々と憶測を張り巡らせるが、答えは分からない。


なにせ、昨日の記憶がごっそりと無くなっている。

何か、思わずニヤニヤしてしまうような出来事がなくもなくもなくもなくもないような気がしないでもないが………

まあ仕方ない。





そんなことを考えつつ、染みつきの天井(顔のような染みと目が合ってメッチャ怖い)を眺めていると、突如扉をノックするような音が響いた。