「…サリアさん?」
「…帰る。……ばいばい」
いきなり静かになったサリアは口をとがらせて
出て行ってしまった。
「おい、サリア!
あーあ。行っちまった…」
肩を落とすカグラに目をやりながら、クリュウが続ける。
「ロウが来てるから大丈夫だろう。
―――それよりも、エレン。…お前だ。
俺達にも説明しろ」
「そうだぞ。
スキニーは怒るとお前と同じぐらい面倒なんだからな」
―――うわ、絶対会いたくない!!
「最後の一言が気にくわねぇな!
カグラ、てめぇ覚えてろよ!?」
「覚えない」
―――さっきから思ってたけど、
小学生か!
「…まあいいけど。
説明というよりかは、報告になっちまうんだけど…
ハルカのが取れるかもしれない」
「…?何が?」
「ストーンが」
「……。ストーン…?
あぁっ!!そんなんあったね!!?」
「いや、忘れんなよっ!」
―――…すっかり忘れてたー!
「…だから、イノのところに行く」
「なんとかなるのか?」
「おいおい。
カグラが一番わかってんだろ?あいつの実力を」
渋い顔のまま、まあ確かにそうだが…と唸るカグラ。
「あたしらがこんな事してる間にも、
事態はどんどんやばい方向へ行ってんだ。
頼るしかねぇだろ」
「1つ言わせろ。
だいたいはお前が『こんな事』の主犯なんだからな」
「いちいちうるせぇな」
―――カグラさんの言ってることは正しい!!
あたし、1億賭けれるよ!!
