「何あの2人。カップル?」
廊下に出た瞬間
けっ!と言い放つハルカ。
「まさか。そんなにロウ様も
趣味は悪くありませんよ」
さらりとひどいリン。
本人は無意識だから
どうしようもない。
「マジで死ねよリン」
ぬん、と後ろに立つエレン。
「エレン様、聞いてたんですか」
「聞こえてくるんだよ、バカ」
こうしてみると
エレンのほうがリンより小さいから
リンが大きく見えただけで
あんまりハルカとリンは身長が変わらない。
―――乱暴な妹と
優等生な姉って感じかな…
「2人ってどういう関係なの?姉妹?」
「いえ、上司と部下ですね。
…血はつながってないんで」
苦笑いのリン
エレンはその横で
どうでもよさそうに突っ立っている。
「あぁ…って、どっちが?」
―――さっきまでは
リンが下に見えたけど
なんだかそれは腹が立つ。
「エレン様が上で、自分が下です」
「えぇー…」
やっぱりかと肩を落とすハルカ。
「失礼な奴。…サリアから連絡。
明日帰るからよろしくってさ」
さっきみたいに嫌味を言うでもなく
さっさと真っ暗な廊下の先へと
消えようとするエレン。
「ま、待って!!」
「何?」
なんか知らないけれど
呼び止めてしまったハルカ。
―――黙ってれば可愛いのに
なんだかもったいないね!!
いや、違う。それは確実に殺される。
「あ、あのなんて呼んだらいいっ?」
「お好きにどーぞ」
ヒラヒラと手を後ろ手に振り
さっさと行ってしまうエレン。
「じゃ、じゃーね!!
エレンっ!!」
