「あぁ、いつものことですので
気になさらないで下さい。」
表情1つ変えないリン。
その横では更にヒートアップした
大喧嘩が始まりかけている。
―――あの人達いつも
あんな危険な喧嘩してんのね…
体は丈夫なんだろうけど
それよりも
心臓どんだけ強いんだろう。
あれかな。
象に踏まれても平気なのかな…
遂に人間の限界について
うんうん考え始めるハルカ。
そして、
【そもそもアイツは人間なのか】
と言う疑問へと導かれる。
「いや、アイツは
絶対人間の皮をかぶった悪魔だよ…!」
―――もしくは大魔王の娘だ
「……ハルカ様?」
不思議そうなリン。
そりゃいきなり
うんうん唸り始めたら気持ち悪いだろう。
「へっ!?…あ、ごめん!!」
「いえ。…こちらへどうぞ」
ハルカがあの2人の喧嘩が
どうなったかもう1度見ると
「放せっ!!」
「んー?エレンがとってもか弱い俺に
暴力振るうからー?
仕方ないから、じゃあ
抱きしめるしかないかなっていう…ね?」
「意味わかんねぇし!!」
ただイチャイチャしてるカップルだった。
-――さっきまでの喧嘩はどうなったんだい
さっきまで切れ味よさそうな
ナイフ手に持ってたよねー
赤髪悪魔が。
なのになんで今イチャついてるのかなー?
本当、ウザイって言うかなんていうか…
ハルカ、今めちゃムカついてる☆
「ハルカ様」
リンはもう少しでエレンを
危うく殴りかかりに行きそうだった
ハルカを止め
腕を引っ張り廊下へと出る。
