リンの手をとったのはハルカ……ではなく
ロウだったのだ。
「は?」
ハルカの一言に
何してんのこの人という
驚きが表れている。
「うんうん。俺とデートだよねー
わかってるわかってるって~」
「いえ、あの…」
あははと爽快に笑うロウ。
どうしたものかと対応に困るリン。
「ロウ~、それぐらいにしとけってー」
そう言うものの、
エレンの目はキランと輝いていた。
その瞬間
やべぇ…すっげー面白そー♪
という
エレンの心の声が聞こえたハルカ。
「あの、…本当にすいません」
申し訳なさそうに
リンが何かを唱えた瞬間。
…その場に雷が落ちたのだ。
「すいません、ロウ様。また次回お願いします」
ペコリとお辞儀をするリン。
―――あ、デート自体はいいんだ
気にする部分がやっぱり違うハルカ。
死にそうになっているロウ。
そして横で笑い転げるエレン。
「…マジで、死ぬ…から……!」
ロウが見上げた先には
やっぱり美少女なリン。
…やっぱ、女の子大好き。
そんな事を思うロウ。
そして意識があるのが分かったエレンは
ゲシゲシとロウを踏み潰して遊ぶ。
―――うわ、悪魔だ…!
いや、大魔王だっ……!!
ハルカはロウがかわいそうに見えてきた。
そしてさっきの
『ハルカ大丈夫!
エレンは悪魔なんて可愛いもんじゃないから!!』
というロウの言葉を思い出した。
「エレンっ!てめぇ…!」
やめることなくエレンは
ケラケラ笑いながらロウのほっぺを引っ張ったりする。
「ロウさん、どんまい」
両手を合わせるハルカ。
