私はテーブルの前に座り、テレビのチャンネルをまわす。ブラウン管には、先ほどの堅苦しいニュースから一変、上品なドレスを身にまとって笑顔を浮かべた芸能人が映っている。
テレビに視線を向けたまま食パンを一口かじってみるが、どうも入っていかない。口に入れる度、高い吐き気の波がやってくる。
食べるペースの遅い私に母は気づき、濡らしたふきんをテーブルに持って来ながら、
「食欲ないの?」
と訊いてきた。私は食パンを口に含んだままこくりとうなずいた。
「でも、今日体育あるんでしょ? 半分くらい食べられたら無理してでも食べた方が良いよ」
吐いてもいいのかよ、と心の中で毒づく。
その時、壁にかけてある時計が『エリーゼのために』を鳴らした。滑らかなピアノ演奏、七時の到来だ。あと三十分で私は家を出ないといけない。
そういえば、中学一年生の頃、休み時間に音楽室にあるピアノで美咲がこの曲を引いていたな。たどたどしくも、綺麗なメロディーだった。
だから、余計この音楽が嫌いなんだ。
テレビに視線を向けたまま食パンを一口かじってみるが、どうも入っていかない。口に入れる度、高い吐き気の波がやってくる。
食べるペースの遅い私に母は気づき、濡らしたふきんをテーブルに持って来ながら、
「食欲ないの?」
と訊いてきた。私は食パンを口に含んだままこくりとうなずいた。
「でも、今日体育あるんでしょ? 半分くらい食べられたら無理してでも食べた方が良いよ」
吐いてもいいのかよ、と心の中で毒づく。
その時、壁にかけてある時計が『エリーゼのために』を鳴らした。滑らかなピアノ演奏、七時の到来だ。あと三十分で私は家を出ないといけない。
そういえば、中学一年生の頃、休み時間に音楽室にあるピアノで美咲がこの曲を引いていたな。たどたどしくも、綺麗なメロディーだった。
だから、余計この音楽が嫌いなんだ。
