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電話を切ってから 1時間ちょっと。
健留は、近くのデパートに来ていた。
ー『アップルパイがどうしても食べたいの。身体が求めてるの』
ー「そっか。で?」
ー『素敵なパティシエさんに、作って欲しいなぁ』
ー「そっか。頼めば?」
ー『素敵な素敵なパティシエさん、アップルパイ作って?』
電話での会話を思い出す。
願いを叶えてあげるなんて、なんてお人よしなんだろう。と思いながら、一番ツヤの良い林檎を手に取る。
ーまぁでも、いつもごはん作ってもらってるし、いいか。
そう気を取り直して、パイ皿を選びに向かった。

