「ここのソファーに座って座って」

真哉さんが、事務所にあるふかふかのソファーをすすめる。

「わ、ありがとうございます」ソファー、あいの好物。

「おい健留ー。かわいいじゃーん。ちゃっちゃと仕事終わらせろよー」

「いま必死で片付けてますって!」

「あ、あいちゃん、きょうの売れ残りだけど、食べる?」

真哉さんはそういって、きょう捨てるはずだった売れ残りのケーキ達をもってきた。


「あ、いいなぁ。俺も食べたいなぁ。お、ちょうど人数分あるじゃないですか」

勇がニヤニヤと言う。

「…しょうがねぇなぁ。かわいいあいちゃんに免じて、きょうだけだぞ?」

「お、やったぁ」

「てか勇、お前ちゃっかりあいちゃんのとなり座ってんなよ」