とんとん、って包丁の音が聞こえる。 さっさと米とぎを終えた俺はソファに座りながら野菜をきるあいの後ろ姿を眺める。 「ねぇ、おいしく作ってね」 「お願いだからだまっててね」 冷たい。 とくにやることのない俺は、 いたずら心で、あいの後ろから 近づく。 「…ねぇ、手伝うことある?」