「舞ちゃん?どした?」


「えっ?」



私は顔を上げて細野さんを見た。


目が合う。


ドキドキする胸。


細野さんは心配そうな顔をしていた。



「な、何でもないです……」


「ならいいけど……。あっ!舞ちゃん、時間ある?」


「えっ?」


「俺、車で来てるからドライブでも行かない?」


「ド、ドライブ!?」



突然のドライブの誘いに、食事に誘われた時以上に声が上ずってしまった。


どうしよう……。


明日はバイトも休みだし、少し遅くなっても平気だけど……。


でも細野さんとドライブって……考えただけで緊張し過ぎて倒れちゃいそう……。



「あ、ゴメン……。また俺、突然誘っちゃって……」


「いえ……」



私は首を左右に振った。


そして私は……。



「…………ドライブ、連れて行って下さい」



細野さんを再び見てそう言った。