「何飲む?」
細野さんがメニューを広げた。
手書きで書かれたメニュー。
ドリンクメニューだけでも沢山ある。
けど、私は無難にオレンジュースを頼んだ。
「俺は……ウーロン茶」
「今日は飲まないのかよ」
伝票を書きながら山岡さんが言った。
「車で来てるから……」
細野さんがジーンズのポケットからタバコを取り出しながら言った。
「そっか。で、食べ物は?」
「何か食べたいものある?」
再び細野さんが私に聞いてきた。
「あ、えっと……何でも……」
「適当に持ってきて」
細野さんがタバコをボックスから取り出しながら言った。
「了解」
山岡さんはそう言うと、個室から出た。



